
日本にある金融機関の種類について教えてください。
今回はこういった質問について応えていきます。因みにこの記事では、「預金・融資・為替」業務が可能な金融機関に的を絞っています。
では早速見ていきましょう。
金融機関とは
ざっくりいうと「金融取引を生業とする組織」のことを言います。
一般的には、「預金・融資・為替」業務を行う組織のことを指します。皆さんが一度は利用したことがあるとは思いますが、「銀行」がそれにあたります。
金融機関となると銀行を真っ先に思い浮かべると思いますが、それ以外にも種類があり、ざっくりいうと
・普通銀行
・共同組合型金融機関
・それ以外の金融機関
に分けることが出来ます。次回の章から詳しく見ていきます。
普通銀行の種類 メリット・デメリット
普通銀行には、都市銀行・地方銀行・ネット銀行の3種類があります。
・都市銀行
都市銀行とは、主に東京や大阪などの大都市に本社があり、日本全国に営業展開している金融機関です。
営業が東京や大阪・名古屋等の大都市に集中しており、各都道府県の地方都市に1~2店舗ほど置いている場合が多いです。
個人を始め、大企業が主な取引相手です。現在では、4行が都市銀行として営業しております。
・大都市に在住の方は、身近に店舗がある場合が多く利用しやすい。
・規模が大きいので、融資(事業性融資)の際には巨額の資金を扱うことができる
・大都市以外では、店舗が少ないため不便に感じることがある
・融資(事業性融資)を行う際には、主に大企業を取引相手にしているので、新規で借りることが難しい。
・地方銀行
地方銀行とは、各都道府県の地方都市に本店を置いており、そこを中心として営業展開している金融機関です。
地域住民を始め、各地域の中小企業を取引相手としています。
地方銀行には、全国地方協会に加盟している64行と第二地方銀行に加盟する45行が営業しております。
・各地域を中心に店舗を置き営業活動をしているので、その地域内に住んでいる人にとっては、店舗やATMなど利用しやすい
・中小企業を主な取引相手としているため、都市銀行より新規での融資がしやすい
・各地域を中心に営業活動しているため、その地域を離れる際には取引を辞めないといけない場合がある
・ネット銀行
ネット銀行とは、店舗を持たずにインターネットを介して預金やお金の借り入れ、振り込み等の取引をする金融機関です。
お金の出し入れやカードローン等を利用する際には、コンビニやスーパーなどに設置されているATMを利用します。
・店舗を持っていないため、家賃や人件費などの固定費が少なく済むので、その分手数料が安く、預金金利が他の金融機関と比較すると高めに設定されている
・スマホやパソコンでインターネットを介するため、24時間取引が可能
・スマホやパソコンの操作に慣れておく必要がある
協同組合型金融機関の種類 メリット・デメリット
協同組織型金融機関には、労働金庫、信用金庫、信用組合、JAがあります。
・労働金庫
労働金庫は労働金庫法に基づく共同組織型金融機関となります。労働組合と生活協同組合等が会員となり、会員の出資を受けて、営利を目的とせずに運営する機関です。現在13の労働金庫があります。
銀行では主に企業に貸付の割合が多いのですが、労働金庫の場合は、ほとんどが個人への貸付で割合を占めています。
・コンビニATMを利用する際に、預入と引出しにかかる手数料が無料となっている場合が多い。(ローソン、ファミマ等)
・働く人を支える役割を持っているためお金のことで困っている場合は親身になって対応してくれる場合が多い。
・ローンセンターがあり、平日に休みが取れない場合は、休みの日に店舗に行ける
・地域によって店舗数が少ない場合が多い
・信用金庫
信用金庫は、信用金庫法に基づく共同組織型金融機関になります。地域に住んでいる方々の出資によって成り立っており、労働金庫と同じで営利を目的としておらず運営をされております。
相互扶助の理念のもと営業区域は限定されており、地域で集めたお金は地域に還元しております。
・相互扶助を理念としているため、銀行では難しい中小企業への融資が受けやすい
・年金を信用金庫にしている場合、年金旅行等のサービスを受けることが出来る
・営業担当者がこまめに訪問してくれる
・メガバンクや地方銀行よりも貸付金利が高い
・営業地区が限定されているため、地区内から引っ越しをする場合に解約をしないといけなくなる状況に陥る
・信用組合
中小企業等協同組合法、協同組合による金融事業に関する法律(協金法)に基づく共同組織型金融機関になります。労働金庫、信用金庫同様に営利を目的とせずに運営をされております。
なお信用組合には
・地域信用組合
地域の中小企業や住民が出資する信用組合。信用組合の多くはこの地域信用組合にあたります。
・業域信用組合
同一業種が集まって作る信用組合。
・職域信用組合
企業の職場で勤務する人などが作る信用組合。
といった形で分類されます。
・銀行では難しい中小企業への融資が受けやすい
・営業担当者がこまめに訪問してくれる
・メガバンクや地方銀行よりも貸付金利が高い
・営業地区が限定されているため、地区内から引っ越しをする場合に解約をしないといけばくなる状況に陥る
・JA
JAとは、農業協同組合のことで、農業協同組合法に基づいで運営されております。
相互扶助の精神のもと、組合員農家の農業経営と生活を守り、よりよい地域社会を築くことを目的としてつくられた協同組合です。非組合の方でも利用は可能です。
・農業経営に関する融資制度が充実している
・店舗数、ATM数(約12,000台)とゆうちょ銀行に次ぐ多さ
・時々高金利の定期預金が販売されている
・JAの利用頻度や高いサービスを受けたい場合は出資金を払わないといけない
その他金融機関の種類 メリット・デメリット
・ゆうちょ銀行
ゆうちょ銀行は、郵政3事業の民営化により2007年10月に誕生した金融機関です。全国各地多くの店舗があり、貯金や保険等のサービスを受けること
ができます。
・店舗、ATM数(約32,000台)が多く、利用しやすい
・店舗内にあるATM手数料が平日・休日問わずに無料
・店舗によっては、ATMが午前中閉まることがある
・コンビニでATMを利用する場合は手数料がかかることもある
まとめ
日本には、銀行を始め、労働金庫や信用金庫等様々な金融機関が地域にあり、それぞれの経営理念のもと、営業をされております。
自分が金融機関を利用する際に、どんな目的で利用するのかや自分が住んでいる地域から一番利用りやすい店舗は何処かなどを考えていくといいかもしれません。
就活や転職で金融機関をターゲットにしている場合は、それぞれの金融機関の成り立ちや経営理念等を調べて把握しておくといいでしょう。
この記事をみて、自分が住んでいる町にはどういった金融機関が営業しているのか、気になったら、以下に記事を載せておりますので、ご覧になられてください。

