
数年勤めていた会社を退職し、起業しようと考えております。
そこで、私みたいな初めて起業しようとする人に対して親身に
なってくれる金融機関はどういった場所がありますか?
今回はこの疑問に答えていきます。
結論から言うと「信用金庫」を利用してみてはいかがでしょうか。
信用金庫というと馴染みのない方もいらっしゃるかもしれません。
私自身大学生の時の就活で信用金庫のことを知りました。
今回は信用金庫のことについて利用するメリットやデメリットを交えて解説していきます。
・現在または将来起業しようと考えている方
・信用金庫がそういった金融機関なのか気になる方
信用金庫とは
信用金庫は、特定の地域で営業をしている共同組織型の金融機関のことをいいます。
特定の地域とは、例えば大阪市とその周りの市町村や横浜市とその周辺の地域などです。
信用金庫の経営として、地域の人々がお金を出資をして、その出資金をもとに個人や個人事業主や法人にお金を貸し出すということをしております。
そうしていくことで、地域経済の発展に一役買っております。
そもそも信用金庫は、地域の発展のために作られた金融機関です。
現在日本には254の信用金庫(2022年4月現在)が日々地域の発展のために営業をされております。
銀行とどう違うのか
銀行も信用金庫も「預金・融資・為替」という業務を行っている金融機関です。
ただ、銀行と信用金庫は似ているようで実は違います。
銀行の場合は、株式会社〇〇銀行とつくように営利組織であり、1年で得られた利益は主に株主に還元されます。
主に国内にある大企業を含む様々な企業との取引が可能であり、時には数千万円から数億円といった大規模な融資を行うことで、企業の発展に貢献しております。
信用金庫の場合は非営利組織で、信用金庫法により「地域で集めた資金を地域の中小企業と個人に還元することにより、地域社会の発展に寄与すること」を目的としており、営業地域内の中小企業や零細企業との取引をおこなっております。
信用金庫には取引ができる相手が決まっており、
・住所または居所を有する者
・事業所を有する者
・勤労に従事する者
・事業所を有する者の役員
<事業者の場合>
・従業員300人以下
・または資本金9億円以下の事業者
となっております。つまり従業員が多くて資本金が多い企業との取引は出来ないように法律で定まっております。
また信用金庫との取引で預金は先ほどの営業地域内に住んでいる方や働かれている方については誰でも出来るのですが、融資については原則会員を対象としております。
この原則会員を対象にしていることについて、一部制限付き(本人預金を担保とした資金の貸付、700万円以下の小口の貸付・手形割引など)で会員でなくても貸し出しをすることが出来ます。
信用金庫を利用するメリット
・個人や中小零細企業に対して親身に対応してくれる
これこそが信用金庫を利用する一番のメリットと言って過言ではありません。
大手メガバンクを始めとした銀行の場合、利益を出す為に小規模事業よりも大きな会社が取引相手のメインとなります。
そっちのほうが、より多くの利益を確保しやすいからです。
信用金庫は、地域の繁栄を狙いとしていることから、小規模の企業やこれから起業しようとする方に対して前向きに融資を検討してくれます。
ただし融資を受けられるかどうかは経営状況や事業計画などの審査を通過しなければなりません。
会員限定のサービスをうけられることがある
信用金庫に会員になることで、創業支援サービスや振込手数料が会員ではない人より安くなったりするなどの優遇を受けることが出来ます。
このことについては各信用金庫に確認されることをおすすめします。
信用金庫のデメリット
信用金庫のデメリットとして、銀行よりも金利が高いことです。
なぜ、金利が高いかというと、融資を行うまでの事務作業が多く人件費がかさむからです。
信用金庫は銀行とは違い小さな融資を数多く行っております。
例えば銀行が1億円の融資を1回行うとします。信用金庫では小さな融資を行うのが基本なので1回の融資が500万だとすると、銀行の1億円の融資金額に達するのに20回融資を行わなくてはなりません。
その間に、営業マンは何回も取引会社に行かないといけなく、また事務作業も多くなります。
その分コストがかかってしまうので、それを補うべく金利が高くなってしまいます。
今後信用金庫と取引をするなら
ここまで読んでいく中で、これから起業を始める方や既に事業をされている方で信用金庫について何となく分かってきたと思います。
ただ、いきなり信用金庫に相談するのに抵抗がある方もいらっしゃるかと思います。
そういった方のためにもまずは通帳を作ることから始めることをおすすめします。
最初に通帳を作ってお金を預けることから始まり、定期積金を作って毎月積み立てをおこなったり、出資金を出して会員になったり、公共料金やその他の引落しを信用金庫に指定したりすることで徐々に取引実績が増えていきます。
そうして実績を作った後に信用金庫に相談するのもいいかと考えます。
信用金庫側からもそういった取引をしてくれる方に対して、親身に相談にのりたいと思うものです。
まとめ
ここまで信用金庫のことについてメリットやデメリットを交えて書いていきました。
信用金庫は、地域の発展のためにつくられた金融機関であり、営業活動で得られた利益については営業地域内に還元されます。
また、銀行と比較して親身になって相談にのってくれます。
もしあなたが現在または将来起業しようと考えいらっしゃるなら信用金庫を利用されてみてはいかがでしょうか。

